こんにちは。成田の不動産屋スマイル・リンク(株)川邉です。
「古家つきよりも更地にしたほうが売れますよね?」
というお尋ねをよく受けますが、ちょっと待ってください!
必ずしもそうではありません。
古家と言ってもその状態は様々なので一概には言えませんが、
「土地が売れやすい地域では更地の方が良いケースが多く、
土地が売れにくい地域では多少傷んでいても古家付のほうが売りやすいケースが多い」
です。
「古家を買う人は買ってどうするの?」
と思われますか?
古家でも上手に修繕すればアパート暮らしの家賃よりもお得に生活できる
ことが多々有りますし、最低限のリフォームをして賃貸物件として貸し出して
家賃収入を得たいという方たちも少なくないのです。
だから、そういった人たちのニーズに応えることができる程度であれば
古家付のほうが売りやすいケースも多々あるんです。
私たち、スマイル・リンク株式会社の営業エリアの中でも地域地区によって
土地の売れやすさはかなり差があります。
例えば、成田駅、京成成田駅、公津の杜周辺や成田ニュータウン、国道51号沿いの地域等
市街化区域であれば土地の売れ行きはかなり好調ですから(平成29年5月現在)、
古家付よりも更地の方が売れやすいと言えます。
富里市でも日吉台、日吉倉、七栄の市街化区域内は更地の方が良いケースが多いですよ。
しかし、富里市七栄でも市街化調整区域にあたる地域、同じく七栄以外の
市街化調整区域にあるニュータウン(南七栄ニュータウン、東七栄ニュータウン、
新中沢ニュータウン、立沢台ニュータウン、根木名や大和、久能のニュータウン、住宅団地)では
更地の売れ行きが市街化区域ほどには良く有りません。そのため、古家付のほうが売れやすいです。
ただ、これら市街化調整区域のニュータウン内でも70、80坪以上のまとまった広さの土地は比較的よく
売れます。市街化調整区域に新規に住宅用地を求める人は“広さ”を重視するからです。市街化調整区域の方が
市街化区域よりも交通の便は不便になる場合が多いですが、その分地価が安いため同じ予算でより広い土地を
買うことが出来ます。そういう方たちは市街化調整区域の70坪以上の土地を求めることが多いです。
この富里市の市街化調整区域の話は、成田市の中でも旧下総町、旧大栄町にある大栄ニュータウンや
外記林団地、ビバランド団地、日豊団地、芙蓉邸団地、成田市稲荷山のリバティヒル500等の団地にも
当てはまります。神崎町や多古町では全域に同じようなことが言えますね。
印旛郡栄町では安食台は更地の売り物があまり出ない場所なので、あまりにも老朽化した古家なら
更地の方が良いです。竜角寺台も土地取引は堅調なので安食台と似ています。酒直台や安食田中団地は
安食台と竜角寺台に挟まれていて、土地としての需要よりも中古住宅としての需要の方が多いように
感じています。だから、活かせるなら古家を活かして売りたい地域です。
このような取引の感覚はその地域で何件も取引していると自然と皮膚感覚で感じる
ようになるものです。不動産の値段、売り方は統計数字だけではわからない地域特性が
あるんです。そこが難しくもあり、面白くもあるところです。地域性が高いから
私たちのような地元の不動産屋が商売を続けてゆけるのだと思います。
ところで、どの程度の古家まで買い手がいるのでしょうか?
私もこれまでに数多くの取引を仲介してまいりましたが、
不動産屋の私でさえものけぞるような、怖くて1人では入ってゆけないような
古家もたくさん取引してきました。だから、一般の人が思うよりは相当に古家の
許容範囲は広いと思ってください。
だから、「売り出す前に古家は解体したほうが良い!」
なんて早まらずに地元の不動産屋に相談してくださいね。
スマイル・リンク株式会社
宅地建物取引主任者・2級FP技能士
川邉 雅信(かわべ まさのぶ)
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